「阪神大震災」
患者さんの体験記


【匿名】

 一月十七日火曜日は、丁度透析をしていただく日でした。 はや、三ケ月が過ぎようとしている今、怖さが少しずつ薄らぎつつあります。が、余震が有ると小さくてもやはりドキッとします。
 当日、道路があまりにもひどくなっていたので、クリニックへは行けそうもないと思い「一日延ばしても大丈夫だと思います。」と、電話したところ、宮本先生に 「カリウムの検査だけは受けに来て欲しい。」と、言われ、兄の車でやっとの思いで連れて行ってもらいました。車の屋根スレスレまで倒れかけに電柱の下を通 ったり、落っこちないかと心配な夙川の橋を渡ったり、道路側に倒れ、傾いたビルの横を通 ったり、電線もあちこちぶら下がったりしていてとても怖かったです。 クリニックに着くと早速カリウムの検査をして下さいました。その結果 が、今までにない程の高さで「すぐに透析しないといけない。」と言われ、十二人の方と一緒に救急車に乗せていただき、大阪の病院へ連れて行っていただきました。先生のお陰で命びろい出来たと思います。大阪の病院でも一泊させていただき大変親切にして下さった事を嬉しくありがたく思いました。 震災後、二度日の透析は宮本クリニックでしていただけて、ありがたかった反面 、余震の心配が有り、もし又大きな地震が来たら、どうやって自分で止めたらいいのか、と看護婦さんに尋ねましたら、止め方を教えて下さり、「ほったらかしてなんか逃げへんから大丈夫よ。」って言って下さったので、とても心強く安心して透析を受けさせて頂く事が出来ました。
 新聞で宮本先生の御苦労を初めて知り、感謝の気持ちで一杯です。 宮本クリニックの皆様にお世話になれて本当にありがたく思っています。

 

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阪神大震災報告 (c)1995医療法人平生会 宮本クリニック